第6回 追憶・・・ 名鉄800系&850系


<はじめに>

かつて名鉄線上で活躍していた旧形電車たち。
登場時は特急電車として華々しいスタ−トを切った彼等も、時代の流れとともに第一線を退き、晩年は支線区の普通列車等で細々と運転され、そして引退していきました。
今回は、そんな車両たちの中で、私にとっては実に強いインパクトを与えてくれた800系と850系電車を紹介したいと思います。


犬山駅に入線した800系


名鉄1500V線区の雄、800系811号が「いもむし」3400系 を従えて犬山駅に入線です。いつもは新可児方に連結されているのですが、この日は何故か犬山方に連結されていました。さあ!!最後の御奉公に出発です!!
<引退3日前の96・04・04犬山駅にて>


<800系について>

昭和10年、日本車輌製。
名鉄の前身である名岐鉄道の特急電車として登場しました。
当時、国鉄が名古屋〜岐阜間を50分かかって走っていたのに対して、わずか34分で走行したことから一躍脚光を浴びた、当時としては最先端の特急電車でした。
もとはセミクロスシ−トでしたが戦時中にロングシ−ト化され、さらに昭和23年5月の西部線昇圧の際には1500V用に改造されています。
登場当初は両運転台車両でしたが、一部は片運転台車に改造されました。
その後、ク2310形とコンビを組んだり、各地を転戦する等しましたが、晩年は811号車と812号車が主に広見線を中心に3400系や7300系との併結運転等で運用されていました。
811号は、もとは802号で改番・両運転台化の後、811号となっています。
また812号はもとは昭和17年製の3500系3502号で、これも昭和56年に改番・両運転台化の後に812号となっています。
800系は1500V線区冷房化100%となる96年4月7日のダイヤ改正でのさよなら運転を最後に現役を引退しました。
引退後、811号は、整備・修繕のうえ、現在は日本車輌豊川工場に静態保存されています。
一方、812号は811号よりも一足先に3月20日付けで廃車され、一時解体という話もありましたが、車輌整備用の配給車として使用される事となり難を逃れています。


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