第8回 房総の山中を行く 〜小湊鉄道〜


<はじめに>

第三セクタ−のいすみ鉄道を除けば、千葉県内では唯一の非電化私鉄である小湊鉄道。
私がこの鉄道にはじめて出会ったのは、もう19年前のことです。都市近郊にこのようなロ−カルム−ド豊かな鉄道が存在していたことにえらく感動した記憶があります。
今回はこの小湊鉄道について御紹介したいと思います。


五位機関区の風景


五井駅構内に広がる車庫。そこに気動車たちが休憩しています。


<小湊鉄道について>

JR内房線・五井駅を起点に房総半島の中程にある上総中野まで、約39.1Kmを結ぶ全線単線の非電化私鉄です。
大正14年の五井〜里見間の開業を皮切りに順次延伸。昭和3年に上総中野まで達しました。当初の計画では房総半島を横断して安房小湊に抜ける予定で、社名もそこから付けられていますが、実現せずに現在に至っています。
現状では上総中野でいすみ鉄道(旧JR木原線)に接続して外房線の大原に抜けるル−トが構成されていますが、利用者はそれ程多くないようです。その一方で五井付近は首都圏に比較的近いことから沿線の宅地開発が進み、区間列車が増発されて利便性の向上が図られています。
運用される車両はいずれも自社発注の日本車輌製キハ200形で、日中は1両単行運転で、ラッシュ時は2両連結運転で運行されています。車両は以前は全て非冷房車でしたが、現在では皆冷房化工事が施されているようです。
また、五井駅構内に唯一電車改造の気動車キハ5800形1両が予備車として在籍していますが、まず動くことはないようです。
運行面では、毎時1〜2本の運行となっていますが、その殆どが五井〜上総牛久間の運行で、終点の上総中野までの運行は数えるほどしかないのが現状です。また、別に五井〜養老渓谷間の運行も僅かながら行われています。
沿線は五井〜上総牛久間は田園地帯や住宅地の中を縫うように走り、上総牛久を抜けると主に山中を走るようになり、ロ−カル線の様相を呈します。利用客も上総牛久までが多く、それを過ぎるとどっと利用客が減るようです。
ところで以前、保有していた海士有木(あまありき)〜千葉中央間の路線免許は昭和50年に千葉急行電鉄に譲渡され、現在、鉄道建設公団によって工事が進められています。


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