第22回 神話の国の長老は・・・ 〜一畑電鉄デハ1形〜


<はじめに>
一畑電鉄は電鉄出雲市を起点に松江温泉に至る33.9Kmの北松江線と川跡(かわと)から出雲大社前に至る8.3Kmの大社線からなる山陰地方唯一の電化私鉄です。元は大正3年に出雲今市(現出雲市)から雲州平田(現平田市)までを開業させた一畑軽便鉄道が発端で、その後、今市線、松江線、大社線と順次開業させて現在の路線の根幹が形成されております。
さて、このような歴史下において、現在大社線で活躍を続ける旧型車デハ1形ですが、昭和2年に当時の今市線電化開業と時期を同じくして、日本車輌において製作された16m級3扉ロングシ−トの半鋼製車両です。昭和53年にはアルナ工機でワンマン改造が施された3、6号車の2両が大社線専用車両として運用されています。
しかしながら、97年2月に北松江線の新性能化完了後、大社線においても車両の近代化が行われる事となり、遂に電化開業時からの生え抜き車デハ1形も平成10年中に引退する事がほぼ決定してしまいました。そこで、今回はこの山陰の長老電車でもあるデハ1形に注目してみる事にしましたので、どうぞ御覧ください。


デハ1形出雲大社側運転台

人気の無い川跡駅に佇むデハ1形です。この日は3号車が仕業中でした。<98-07-25川跡>


デハ1形車内

デハ1形の車内です。落とし窓に床は木張り、青のロングシ−トや長い吊り革が整然と並んでいます。<98-07-25>


デハ1形運転台

デハ1形の運転台です。ワンマン改造が施されているのがうかがえます。<98-07-25>


デハ1形台車

デハ1形の釣り掛け台車です。全ての原動力はこの台車にアリ!!<98-07-25川跡>


高浜付近のデハ1形

田園地帯を走行するシ−ン。これが結構速い速い!!<98-07-25川跡〜高浜>


出雲大社前にて

終点の出雲大社前にて。屋根右上にポコっと出ているおわん形ベンチレ−タ−が印象的。<98-07-25出雲大社前>


平田市にて

一方、6号車の方はというと車庫で検査中でした。。。。<98-07-25平田市>


<おわりに>

いかがでしたでしょうか?
山陰の古豪デハ1形もいよいよ引退を迎えようとしております。全国各地で旧型車の淘汰が進行している中で、こような車両が現在まで第一線で活躍しているというのは凄い事のように思えてなりません。残念ながらこの車両も引退してしまう訳ですが、是非ともどこかの場所に静態保存されて第二の生涯を送ってもらいたいものです。


高浜にて

最後の日までしっかりと勤め抜いて、有終の美を飾って欲しいものです。<98-07-25高浜>

>>Fin<<


お粗末さまでした。Back to Top

Back to Home