第21回 カエルが生きている鉄道 〜熊本電鉄〜


<はじめに>

熊本県下の地方私鉄・熊本電鉄は上熊本を起点に御代志に至る菊池線、途中北熊本から分岐して藤崎宮前に至る藤崎線からなる鉄道です。明治44年に開業した蒸気鉄道に始まり、大正2年に軌道線の上熊本〜藤崎宮前を含めて菊池までを全通させ、大正12年には改軌と電化を行っています。その後、昭和25年に北熊本〜上熊本を開業させ、上熊本〜藤崎宮前は廃止となりましたが、現在でも軌道線時代の名残として藤崎宮前〜黒髪間に軌道線を彷彿させる区間が残っています。
もともと熊本市街地から大きく離れている線形である為、並行バス路線へ乗客が流出した加えて、モ−タリゼ−ションの普及により乗客が急激に減少し、昭和61年には御代志〜菊池間が廃線となり現在に至っております。列車の運行形態については、路線の正式な分類とは異なっており、藤崎宮前〜御代志間と北熊本〜上熊本間となっております。全列車ワンマンで運転され整理券乗車の車内精算方式を採用している為、駅での乗車券販売は行われておりません。
車両は元東急の5100系、元都営の6000系、元静鉄の500系が運用されていますが、置き換え車の入線が噂されており、今後の車両動向には注目する必要があるようです。


5100系妻面運転台

北熊本〜上熊本を往来する5100系。単行運転可能なように妻面に運転台が新設されています。<98-06-27上熊本>


5100系正運転台

こちらが正規の運転台。まさに「カエル」のようです。<98-06-27上熊本>


北熊本留置車両

北熊本駅に留置される5100系。扉の異様に小さい窓と大きい側窓の並びが非常に印象的です。<98-06-27北熊本>


500系

元静鉄の釣り掛け車・500系も朝の運用に就いていました。この姿はいつまで見れるだろうか。<98-06-27北熊本>


モハ71

極めつけはこのモハ71形。車輌工場構内入れ替え用ですが未だに健在です。<98-06-27北熊本>


6000系

藤崎宮前〜御代志では元都営6000系が頑張っています。<98-06-27御代志>


モハ71&5100系

車輌工場での一風景。こんなシ−ンはいつまで見られるのだろうか?<98-06-27北熊本>


<おわりに>

いかがでしたでしょうか?
各地で元東急の「カエル」が引退していくなかで、ここ熊本電鉄では北熊本〜上熊本間を中心にまだまだ元気に活躍を続けております。近年、都営から6000系が入線し、更に置き換え車が入って来る話しがある為、元静鉄の500系共々今後の動向が気になりますが、まだまだ活躍を続けて欲しいものです。


お粗末さまでした。Back to Top

Back to Home