第20回 雪解けを待たずして・・・・ 〜弘南鉄道黒石線〜


<はじめに>

今までいろいろな列車に乗ってきましたが、まだ一度も乗車した事がなく長年乗車する事を夢見てきた車両がありました。それは弘南鉄道黒石線で活躍をしているキハ2100形でした。


川部発時刻表

黒石線川部駅の時刻表です。朝夕中心の運行で昼間は殆ど運転されておりません。<98-02-14川部>


キハ2100形(1)

さて発車時刻5分前となった頃、黒石方から1両の気動車がゆっくりと川部駅4番線ホ−ムに滑り込んで来ました。折り返し黒石行きの列車となるのです。<98-02-14川部>


キハ2100形(2)

車両は旅客営業を廃止した小坂精錬(旧小坂鉄道)から転入してきたキハ2100形という気動車です。正面の大きな運転窓と埋め込み式前照灯が実に印象的です。また、塗装は小坂精錬時代のままのようです。<98-02-14川部>


キハ2100形運転室

車内に乗り込んで運転台を眺めてみました。ワンマン運転を行っているので、車内放送装置が取り付けられているほかに、主幹制御器と制動弁の間に扉の開閉装置らしきものが見えます。<98-02-14>


キハ2100形車内(1)

次に車内を眺めてみました。固定式のクロスシ−トが整然と並んでいます。座席のモケットは深い青色でまとめられてますが、かなり弾力が失われている座席もありました。<98-02-14>


キハ2100形車内(2)

キハ2100形の側面の窓の上段はいわゆるバス窓という形になっています。昔の国鉄の気動車によく見られたモノですが、現在では殆ど見られなくなってしまいました。<98-02-14>


キハ2100形車内(3)

車内に掲示されている黒石線内の運賃表です。黒石線の途中駅は「前田屋敷」という停留所が1つあるだけとなっています。2駅乗って320円とはロ−カル私鉄らしい運賃?ですね。<98-02-14>


キハ2100形(3)

終着の黒石駅に到着しました。片側のホ−ムにはもう1両のキハ2100形が止まっていました。乗客が降りてしまうとあたりには人影も無く、ディ−ゼルエンジンの「ガラガラガラ」というアイドリング音が駅構内に空しく響き渡っていました。<98-02-14黒石>


キハ2100形(4)

横殴りの雪に耐えながら仕事をこなすキハ2100形の活躍も雪解けを前に終焉を迎えそうです。生涯を東北の地で過ごしてきた彼等の運命は・・・・?<98-02-14黒石>


キハ22形

キハ2100形に後を任せたキハ22形は構内の片隅に放置されていました。<98-02-14黒石>


<おわりに>

残念ながら黒石線は3月いっぱいで廃止となり、キハ2100形も黒石線での勤めを最後に引退となるでしょう。もう走る姿を見ることは出来なくなりますが、どこかの地で保存されるのであれば、また会いに出掛けたいと思います。


お粗末さまでした。Back to Top

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