第16回 我が鉄道趣味の原点 〜不滅の名車!!名鉄7000系&7500系〜


<はじめに>

私がそもそもこれ程までに鉄道に興味を持つようになったのは何がきっかけだったのだろう?と考えてみると、そこにはやはり名鉄のパノラマカ−が浮かび上がってきます。
幼少の頃、実家近くの高台から颯爽と走り去る赤い電車を見て、今は亡き祖母にせがんで何の用事もないのに新岐阜駅まで乗せてもらった事を今でもはっきりと覚えています。
保育園に通っていた頃には犬山橋を通過する際に鳴らされるミュ−ジックホ−ンをクラスの友達と一緒に聞いて口ずさんではしゃいでいたものでした。
このように数々の特徴を持ち合わせ、かつ私に強烈な印象を与えてくれたからこそ、現在の私がいるように感じてなりません。そこで、今回は名鉄不滅の名車パノラマカ−7000系&7500系を取り上げてみることにしました。


犬山遊園に到着した7000系


西日がかかる犬山遊園駅に到着した7000系<97-01-03犬山遊園>


<7000系について>

7000系は昭和36年5月に6両3編成が日本車輌で製作されて初登場。以降、昭和50年までの9次に亘って、総勢116両が製作され、本線特急の主力車両などとして活躍を続けてきました。
運転室を2階に上げて、全面展望を乗客に提供するというアイデアは我が国初の試みであり、また連続窓の採用によって側面の見通しも格段に向上し、名実ともに名鉄を代表する車両となり、鉄道友の会ブル−リボン賞も受賞しました。
昭和42年の第三次車からは4連で登場して台車やク−ラ−の改良、昭和46年の第七次車からはク−ラ−を集約分散方式に改良するなどといった様々な車体改善が試みられました。
また、特急運用については、登場当初は特急列車には特別料金がかからなかったものの、昭和52年3月のダイヤ改正から全ての特急列車に特別料金がかかるようになったことに伴い、枕カバ−やカ−テンの交換等の車両整備を行い、一般列車との差別化が図られました。
さらに昭和58年以降には、本格的な特急専用車への改装としてシ−トの取り替え、床カ−ペット敷きが施される編成が登場し、これらの車両は4両編成組み替え、車体には白帯塗装が施されたほか、後に列車電話も取り付けられたうえで、特急運用に用いられるようになりました。
その後、昭和63年7月には1000系パノラマス−パ−が登場し、主力の座を譲って第一線から退いたものの、現在でも西尾線の特急運用から急行・普通運用にまでと幅広く活躍を続けています。


国府駅に到着した7500系


夏の厳しい日差しに照らされる7500系<97-08-02国府>


<7500系について>

7500系は7000系の高速性能向上を目指して開発され、昭和38年に登場しました。
一見すると7000系とそっくりですが、客室を低床化しているために車体の裾が一直線になっていること、2階の運転台の突出が大きくなっていることで、7000系との区別が出来るようになっています。
7500系で特筆すべき事は、現在は撤去されてしまいましたが、定速運転機能が装備されていたという事で、マスコンを希望の速度目盛に合わせれば、一定速度での運転が出来るというものでした。
車両は昭和45年の第六次車まで総勢72両が製作され、一時は8両固定編成が組まれて本線の特急・急行運用に活躍していましたが、その後、6両固定編成に戻され主に急行運用に使用されるようになりました。
元々高性能の設備を持ちながら、6両固定編成によりロ−カル線区への乗り入れが出来ない、他車との併結が不可能といったことから、7000系よりも先に廃車が出ているというのが現状です。


回送される白帯7000系


特急運用を終えて回送される白帯7000系<97-08-11犬山橋>


<パノラマカ−の魅力>

パノラマカ−の魅力と言えば、何と言っても前面展望座席にあると言ってもいいでしょう。駅にパノラマカ−が入線するや子供は元より大人までが先を争って最前席を目指す光景を見掛けることがあります。
いつも見ている側面の流れ去る光景ではなく、真正面からワッと迫ってくるかのような眺めは全く異なった迫力そして優越感を十二分に与えてくれます。
次にミュ−ジックホ−ン。あの独特なメロディ−は1度聞いたら2度と忘れられません。特に正月の犬山成田山への参拝渋滞の時に犬山橋をミュ−ジックホ−ンを連呼しながら最徐行で進む姿は、まるで大名行列のようであり非常に印象的です。
正月に最前席に陣取って犬山橋通過を体験出来たらもうこの上なし!!優越感も頂点に達するでしょう!!


犬山橋を渡る7500系


犬山成田山への参拝渋滞の中を進む7500系<97-01-03犬山橋>


パノラマDXとの併結


7000系回送運転では8800系パノラマDXとの併結も!!<97-08-11犬山橋>


<7000系の他車併結運転>

7500系は他車との併結運転は出来ませんが、7000系については他車との併結運転が可能で、実際に多種多様な併結運転が行われています。
つい先日も上の写真のように回送運転でパノラマDX8800系との併結7連運転が行われたり、数年前には栄生駅近くの留置線でパノラマス−パ−1000系と併結されたまま留置されているのを見掛けたことがあります。
この他にも営業運転で7000系同士の併結8連運転や5500系(2連)+7000系(4連)の6連運転、また正月ダイヤで豊川稲荷行きの参拝特急が7700系(2連)+7000系(4連)の6連運転で運行されることもあります。


普通運用に就く7500系


広見線内で普通運用に就く7500系<96-12-21善児野>


白帯7000系の車内


白帯7000系の展望車の車内風景<97-08-02吉良吉田>


7500系の前面展望


7500系の前面展望<97-01-03名鉄各務原線にて>


<おわりに>

第一線を1000系パノラマス−パ−に譲った感じもするパノラマカ−たちですが、私にとっては今も名鉄の主役であり顔であることには変わりはありません。それは私の鉄道趣味の原点でもある車両たちなのですから・・・・
遥か昔、祖母にせがんでパノラマカ−に乗りに連れて行ってもらったあの日。あの時の感動は今も色褪せることはありません。
今後も末永く活躍してくれる事を願って止みません。不滅の名車パノラマカ−たちよ、永遠なれ!!


お粗末さまでした。Back to Top

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