第15回 賑やかな面々 〜富山地方鉄道〜


<はじめに>

富山から黒部のあたりまでを北陸本線の特急列車で通過して行くとそれにぴったりと併走するかのように単線の線路が通っているのが見えます。
時折、2両編成の電車がサッとスレ違うのが見えます。これが富山地鉄の電車である事は前から知っていましたが、乗車する機会は当分の間、ないだろうなあと思っていました。
ところが、今回、ひょんなことから乗車する機会がやって来ましたので、富山地方鉄道で活躍する車両たちを御紹介したいと思います。


富山地鉄電車車内


電鉄富山行きの快速急行列車内風景です。転換クロスシ−トが並んでいます。<97-06-14>


<富山地方鉄道について>

営業開始は大正2年6月。
社名の通り、富山県下に広く路線網を広げています。宇奈月温泉や立山という有名観光地を持っています。
本線では、最高時速95Kmで走行する特急列車を走らせるため、高性能車両を所有していますが、魚津や上市あたりから富山方面への沿線住民の利用もあり、重要な交通機関としての役割も担っています。
一方、立山線は住民利用よりも立山・アルペンル−トへの交通機関としての要素が強く優等列車の比重が高くなっています。
路線はこの他に、不二越・上滝線や南富山〜大学前間の軌道線を所有していますが、かつては笹津線、射水線という路線も所有していました。
車両は自社発注車のほか、名鉄から3800系を大量購入して特急運用などに使用していましたが、現在は近年に導入した京阪テレビカ−や西武レッドアロ−、そして自社発注車が活躍をしています。
尚、電圧は鉄道線が1500V、軌道線は600Vとなっています。


電鉄富山行きの特急列車


立山行きの特急列車です。編成は何とたったの2両で、しかも1両は座席指定車です。全車自由席でもいいような気もするのですが。<97-06-14寺田>


元京阪車両原色車


電鉄富山行きとして出発を待つ元京阪テレビカ−。他の編成が塗装変更されている中、この車両はまだ原色のままです。ワンマン改造済みです。<97-06-14岩峅寺>



元西武のレッドアロ−。3両編成で主に特急列車用に運用されています。塗装や内装も西武時代のままで使用されています。<97-06-14電鉄富山>



立山駅に到着した元京阪テレビカ−。大体の元京阪車はこのような塗装に変更されていました。<97-06-14立山>



出発を待つJR西日本681系「サンサ−バ−ド」。富山までは3両編成で運行され、うち2両は座席指定車となっています。<97-06-14立山>


<面白い事(車両運用)をやってくれます>

富山地鉄では特急電車も運転されています。
2両〜3両編成で運転されますが、自由席車両は僅か1両のみ。その為、自由席は満席であるのに対して座席指定車はガラガラの状態。これなら全車自由席にして着席数を増やしてもらいたいものだと思いました。
また、車両の運用でも面白い?ことをやってくれます。特急列車として運用された車両が折り返しの列車ではそのまんま普通列車に運用されるのです。その為、さっきまでは座席指定車だった車両もあっと言う間に一般席車に早変わりするのです。
しかも、この運用は元西武のレッドアロ−車両も同様の扱いを受けるため、さっきまでは特急列車だったのに、あっと言う間に普通列車へと化けるのです。かつて西武時代では別格の扱いを受けていた車両だけに実に奇異な光景に思えました。
しかし、流石に「サンダ−バ−ド」だけは特急専用車となっていましたが、当たり前と言えば当たり前の事ですね。このような風変わりな?車両運用をやってくれる鉄道に1度は乗ってみませんか?


お粗末さまでした。Back to Top

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